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Controlling Health-Care Costs オバマの医療保険制度改革の行方 過日英文、本日和訳投稿

 随分と休んでおりましたが、再開します。
12月に英文を投稿したままになっていたコラムに対する和訳全文を掲載します。


題名は以下のとおり。

The Financial Page

Controlling Health-Care Costs

by

December 9, 2013

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 アメリカではオバマ氏のの医療制度改革が、それなりに進んでいます。オバマ氏も2期目の中間年を迎えて、今後は求心力が徐々に低下していくでしょう(既に低下していますが)。それでも難易度の高い改革を推し進めているところは立派です。日本でも手を付けるべき改革が山積みになっていますが、中々進められていません。普通の国並みには進めて欲しいものです。

 
 さて、アメリカでは、医療保険制度改革で医療費の削減に取り組んでいます。民間に任せたほうがお上がやるより競争原理が働いてコストが低くなるとは一般的に言われることですが、アメリカの医療関連コストはそれが当てはまらない例外のひとつです。全て民間ですが、コストは高く、その上昇率も高いのです。で、品質が特に高いわけでもないと言われています。医療ツーリズムで外国で手術を受ける人も非常に多いのです。オバマの医療保険制度改革は、患者、医療関係者、保険会社全てが痛みを分け合って全体のコストを下げようという視点に立っています。それだから、色んな反対がありながらも改革が進んでいるのです。ちょっと話が横にそれました。

では、以下に和訳全文を掲載します。「続きを読む」をクリックして下さい。
  医療保険に関して、今アメリカでは、誰もがオバマの医療制度改革について関心を持っていて、様々な意見を持っています。国民が関心を持っている一方で、議会では医療制度改革案に関して議論は粛々と進められていて、大きな進展がありました。何も為されなければ、アメリカの医療費はコントロール不能になったでしょう。経済諮問委員会のレポートによれば、過去50年間で見ると、医療費の伸びはG.D.P.成長率を上回っていました。が、それがある時点で変わりました。2007~2010年の間のことで、一人当たり医療支出の伸び率は年率で1.8%でした2011年以降はたったの1.3%になりました。


 医療支出増のペースが鈍ったのは、景気後退とその後の回復が緩やかであることも影響しています。しかし、人々が思っているほどには、その影響は実際には大きくないのです。ハーバード大のエコノミストであるデビッド・カトラーとニキール・サーニが先日発表した論文で、医療費の増加に歯止めがかかったのは、景気減速も影響しているものの、その影響は3分の1も無いだろうと記しています。奇妙に思われますが、実は、オバマの医療制度改革に関する議論が盛んになっている状況こそが、医療費の増加に歯止めを掛ける影響を及ぼしているのです。ボブ・コッハー(20092010年にホワイトハウスで医療制度に関するアドバイザーを務めた)は、ローレンス・サマーズの為に過去60年の医療制度に関するレポートを作成しています。また、彼は、議会で医療制度改革案が活発に議論されると、医療費の伸びが1年か2年の間は少なくなるという事実を突き止めました。要は、医療制度について論じるだけで、医療支出が減るという事です。コッハー(内科医からベンチャー投資家に転身し現在ブルッキングズ研究所の客員です)は、そうした現象をthe health-care-policyplacebo effect(医療制度改革案プラシーボ効果)と名付けました。彼は次の様に述べています。
 「政治家が国中で医療支出の伸びが止まらないことに関して議論を活発に行うことは、景気を減速させてしまいます。医療関係者は最近では医療費や薬価を上げるためにあまり騒ぎたてることは得策ではないと考えるようになってきています」。


 医療制度改革案プラシーボ効果等は一時的な効果しかないと思われるかもしれません。しかし、医療費の増加が抑制されている状態は続くと推定出来ます。理由があります。ジェーソン・ヤン(モルガン・スタンレーの新興市場の投資責任者)によれば、今まさに医療制度分野に深い構造的な変革が起き始めているのです。今までずっと、医療費は増え続けてきました。なぜなら、医療に関わるプレイヤーの中で、医療費を抑えたいという動機を持っている者は誰も居なかったからです。病院や医師の報酬は今までずっと診療サービス毎の個別支払い方式が基本でした。多くこなせば、多く受け取れる仕組みでした。一方で、患者サイドから見ると、自腹を切って払うのは医療費負担のほんの一部分だけでした。保険会社も支払いが増えれば、保険料を上げて契約者に負担を押し付けるだけでした。一方で、企業と政府だけは、せっせとお金を払い続けてきました。ヤン氏は次のように言っていました。
 「今後は、今までと違うやり方になるでしょう。医療費の負担を社会全体で広く薄く負担すべきです。そうすれば、皆が関わる形となり、医療費をもっと削減しようとするインセンティブが働くようになるはずです。」、と。


 そうなると、個々人が負担する医療保険の掛け金はもっと高くなるでしょう。そうなれば、社会全体が医療費について考えるようになるでしょう。アメリカの医療制度の特徴的な点は同じ施術でも病院ごとに費用がばらばらで、かつ、差が非常に大きいということです。しかも、高い費用を払えば、質が高いというわけでもないのです。それ故に2011年に、カリフォルニアは、公務員とその退職者に関して、「参照価格制度」を導入しました。その制度では、人工股関節置換手術をする場合には、その手術をしても良いと認証されている医療機関で手術を受ければ、被保険者は窓口で一銭も払わなくて済みます。それ以外のところで、もっと費用の高いところで手術すると、差額は本人が負担しないといけないのです。大抵の人は、認証を受けている医療機関の中のどこかで手術を受けます。中には費用の高いとこで手術を受ける人もいますが、安いほうでも手術のできばえは遜色ありません。この方式だと、政府も支出が減らせれるし、費用の高い病院も何とかして費用を削減しようと試みるでしょう。カリフォルニア州では結果として、関節換装手術の費用は3/1下がりました。


 そうした実験的な試みの成功が、医療に関わる他のプレイヤーにも影響を及ぼし始めています。例えば、Wellpoint(米最大の保険会社)が同様のことに取り組んでいます。またマッキンゼーが行った調査(全米の医療保険の千件弱を調査)によれば、ほぼ半数の医療保険で、現在よりも指定の医療機関の数を減らしています。指定医療機関を少なくすることは、保険会社からすれば、被保険者により安価な病院を紹介することが出来るし、バーゲニングパワーによる価格交渉力が強まり価格をさらに下げられ利ざやを大きく出来ます。


 また、オバマの医療保険制度改革は、病院や医師へのインセンティブの形を変えることによっても費用の削減をしています。例えば、メディケアを使って受診する初診患者が特定の疾患において症状30日で改善しない場合にペナルティーを課す等定めています。それによって、病院、医師は初診段階からより良い治療をしようという動機が強まるし、治療終了後のフォローもしっかりすでしょう。医療保険制度改革が施行されてから、そのペナルティーを課される率は確実に減っています。ヤンは、次のように指摘しています。
 医療機関は患者が25以内に治癒しなければ損をすると認識するようになりました。そうした意識は医療に関わる全てのものに浸透し始めています」と。


 こうした医療費を何とか削減しようとする取り組みの根本にあるのは、医療関連事業者は提供した価値に基づいて支払いを受けるべきだという概念です。提供したサービスの量に基づいて支払われるべきではないのです。米の医療制度改革はまだその過程の初期の段階にあります。コッハーが指摘するには、医療費の支払いの全体の9割は、価値に基づかずサービスの量によって決まっています。また、それを変更していくということは政治的には非常に難易度が高いのです。理論的には、医療費抑制するということは素晴らしいことに思えます。しかし、現実的には、一方で、被保険者の行きたい病院を制限したりすることで、多くの医療機関や医師が収入を減らします。ですから、改革は一筋縄ではいかないでしょう。それでも、この数年で進められいる改革を止めることは出来ないのです。なぜなら、米国民全てが医療制度改革が引き起こす痛みよりも恩恵のほうがとてつもなく大きいことを認識しているからです。ヤンは次のように指摘しています。
 医療制度改革が為されて、何がどう変わるかなんて、誰も予測できません。しかし、やらなくてはならないのです。改革が終わった時には、誰もが世界が変わったことに気付くでしょう」。

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[ 2014/03/09 21:42 ] FINANCIAL PAGE | TB(0) | CM(0)
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