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Disaster Economics ハリケーンサンディが示唆する防災対策の必要性 一昨日英文本日和訳掲載

一昨日掲載英文に対する和訳全文を掲載します。


題名は以下のとおり。

The Financial Page

Disaster Economics

by
 
December 3, 2012



今日は埼玉スタジアムに行ってきましたが、グランパスが負けてしまったので、寝ます。かなり気温も寒かったのですが、試合内容のほうがもっと寒かった・・・

下に訳だけさくっと掲載します。「続きを読む」をクリックしてください。

The Financial Page

Disaster Economics

by
 
December 3, 2012

195321日、オランダの北海沿岸を大洪水が襲いました。巨大な低気圧がとどまり海水が堤防を越えて50万エーカーの土地を呑み込み、死者は2000人に達しました。それを契機として、大被害を受けて数週間内に、オランダ政府は委員会を作り、デルタ・プランを作成しました。一連の治水対策のため提言がなされ実行されました。

 

その後の40年間で、オランダは、何十億ギルダーをダム、堤防、防潮堤、堰などに投じました。マエスラント堰(ロッテルダム港近郊の巨大な可動堰)は、その中でも最も巨大な構築物です。デルタ・プランが実行に移されて以来、オランダでは一度も海水の氾濫が発生したことはありません。

 

ハリケーン・サンディー(米北東部へ被害をもたらし、損害額は数百億ドルの)が明らかにしたのは、米北東部にこそデルタ・プランが必要だということです。ハリケーン・サンディーは、特別な事象でも何でもなく、いつでも起こり得ることなのです。昨年、ハリケーン・アイリーンが約160億ドルの損害をもたらしました。また、異常気象による被害が発生するのはほぼ毎年のことになっていますし、被害自体も年々大きくなっています。アメリカの自然災害による年間被害額は過去20年間で2倍になりました。災害に襲われた後、単に復旧させるだけでは駄目です。アメリカはオランダの例に倣って、被害が発生しにくくすることに重点的に取組むべきです。

 

被害を減らすための良いアイデアはいっぱいあります。たとえば、ヴェラザノ海峡橋の海側に堰を築くとか(ロッテルダム橋付近に可動堰を造った建設会社アルカィスが提案しています)、脆弱なエリアでは送電線を地中に埋設したり、ビルや地下鉄の入り口を高い場所に移すとかです。今問題なのは、そういったアイデアに支出するという決定をニューヨークがするか否かということです。元ニューヨーク市議会議長のクリスティーン・クインや元州知事のアンドリュー・クオモのように災害防止に巨額の新規の投資をすべきだと主張する政事家がいましたが、連邦議会レベルではそうした考えを持つ者はいませんでした。災害の防止にお金を使うよりも、発生した後の救済にお金を投じたいとの考えがワシントンでは支配的です。誰もが感じているかもしれませんが、歴史的にみて明らかなことがあります。それは、アメリカ政府は災害被害者の救済には非常に熱心だが、災害防止のための支出には熱心でないということです。経済学者アンドリュー・ヒーリーと政治学者ニール・マウホトラによる研究で明らかになったのは、1985年~2004年の間にアメリカは災害救済に平均して災害防止の15倍の資金を費やしています。

 

政治的な側面で見ると、発生してしまった災害被害に支出をすることは容易なことです。助けるべき被害者が存在して助けを待っているわけですから。しかし、将来起こるかもしれない災害を防ぐための支出をすることはそれよりも難しいのです。誰のためになるのか分かりにくいからです。ヒーリーとマウホトラの先ほどの研究では、有権者は災害後の復興に資金を費やす政治家を高く評価することが分かっています。しかし、災害防止に資金を投ずることに熱心な者を評価しません。そうした状況は政治家の行動に影響を及ぼしています。評価されるか否かは大きなインセンティブですから。さらに、アメリカの連邦議会制度もそうした状況に拍車を掛けています。地方自治体は災害防止のために支出すると意思決定したくとも自由には出来ません。巨大災害防止のプロジェクトでは連邦政府からの資金も必要だからです。また、米国では多くの重要なインフラが政府ではなく民間部門の所有です。ですので、送電線を地下埋設したりするのも何かと面倒が多いのです。

 

 米北東部を災害に強い都市にするのは、非常に難易度が高そうです。長い大西洋岸に防災工事を施すのは、オランダのデルタ・プランと比べたら巨額なプロジェクトになるでしょう。しかし、一番問題なのは、アメリカは概してインフラに対する公共投資額が少ないという事実です。数十年間に渡って、道路と橋の維持費を切り詰めています。2009年には、米国土木学会がアメリカのインフラを評価した際の評価はDグレードでした。評価を覆すためには、22000億ドル必要だとの見積もりでした。アメリカの送電網は、先進国の基準で見ると、最も信頼性の低いものです。2006年にカーネギーメロン大学の3教授による研究で明らかになったのは、アメリカの年平均の停電時間は、フランスの4倍、オランダの7倍でした(その後さらに状況は悪くなっています)。その原因は、電源、資源の不足ではありません。アメリカは世界一の経済大国です。21世紀になっても優れたテクノロジーを生み出し続けています。しかし、インフラが20世紀中盤に作られた物であるために、多くの不具合が発生してしまっているのです。

 

 効果のある防災対策をしようと思ったら、確かに巨額が必要になります。ニューヨークの護岸の強化だけで100億~200億ドルの費用を見積もらなければならないでしょう。財政赤字を削減しなければならないという呪縛にとらわれているアメリカ政府にとって、その額は不合理のものにしか見えないかもしれません。しかし、不作為を続ける方が、より高くつくことだってあるのです。ハリケーン・カトリーナの後、アメリカ政府は救済と復旧に1000億ドル以上を費やさなければなりませんでした。また、災害対策を実施することが結局のところ安くつくと信じるに足る十分な根拠があります。A.S.C.E.(米国土木学会)は、連邦政府の支出は堤防自体を強化する場合の費用の6倍以上であると見積もっています。また、先進諸国の治水事業を研究した結果では、水害が発生した後に掛かる支出とそれを防ぐためにかかる費用の比率は、31、もしくは41であることが判明しています。途上国では、治水事業を実施する価値はもっと高いものになります。というのは、そういった国では、水害はただでさえ貧弱なインフラに壊滅的な損害を残すからです。また、FEMA2005年に独自に実施した調査では、災害防止対策に1ドル使うことで、後々発生する災害復旧費用3.65ドル(すべて納税者が負担している)を節約できることが明らかになりました。

 

アメリカは現在巨額の負債を抱えていますが、そのことによって上の計算はいささかも影響を受けることはありません。実際、アメリカがデルタ・プランを実施するのに今ほど相応しいときは無いのです。金利は異常に低く、借金しやすい状況ですし、活用されていない労働者や資源、資産が沢山あるのですから。財政が非常に厳しい状態ですから、インフラ投資に巨額を投ずることに反対する声があるのは当然です。しかし、アメリカという国は、もっと言えば納税者も、既に非常に自然災害の影響を非常に受けやすい状況にあるのですから、災害のもたらすコストについて責任を持って真剣に考えなければならないでしょう。



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[ 2012/12/01 23:41 ] FINANCIAL PAGE | TB(0) | CM(0)
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