the NEW YORKERを読もう(面白い記事を翻訳し紹介)

・米雑誌“the NEW YORKER"の面白い記事を翻訳し紹介 ・インテリジェントでスタイリッシュな小説や記事が満載 ・James SurowieckiのTHE FINANCIAL PAGEが秀逸。これは月1回〜3回掲載。 視点がユニーク

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

The Fairness Trap ギリシャ支援に前向きになれない独 一昨日英文、本日和訳掲載

 一昨日掲載した英文の和訳全文を計さします。
題名は以下のとおり。

 The Financial Page

The Fairness Trap

by

June 4, 2012
  
 




一昨日掲載の英文に対する和訳全文を掲載します。「続きを読む」クリックしてください。




 The Financial Page

The Fairness Trap

by

June 4, 2012


 ヨーロッパ経済的苦境に再び陥ったことが、連日報道されています。またかという気がしないでもありません。”It's deja vu all over again(何から何まで、またしてもデ・ジャヴだな)”という、ヨギ・ベラの語録を思い出す人も少なくないんじゃないでしょうか。毎回同じことですが、今回も騒動の震源地はギリシャです。ギリシャ経済は既に5年前からボロボロで、膨大な負債と格闘を続けています。今年に入って、徹底的な緊縮財政をすることを条件に、ギリシャはE.U.I.M.F.から1740億ドルの追加支援を受けられることとななりました。しかし、3週間前、緊縮策に辟易としていたギリシャの有権者の怒りは沸点に達し、連立与党は選挙で敗北しました。与野党ともに過半数割れで連立政権維持が困難になり、6月にも再度選挙を実施する運びとなりました。今、ギリシャの政治家の中には、緊縮策に強硬に反対する者が沢山います。一方、E.U.(支援資金を最も出しているドイツが中心ですが)は、ギリシャが緊縮策を反故にするなら支援を打ち切ると、こちらも強硬です。したがって、ギリシアがデフォルトして、ユーロ離脱をするんじゃないかとの憶測も飛び交い始めました。”Grexit(ギリシャGreek+出口exitの造語)”なる語まで出来ました。



 そのような結果になれば、どちらの側にとってもメリットは全くありません。通貨が下落すれば、ギリシャの輸出額が増え、観光客も増えるという者もいますが、それはわずかでしょう。むしろ、ひどいインフレになって資産が大きく目減りしてしまうでしょう。G.D.P.も大きく下振れするでしょう。影響はギリシャだけにとどまらず、ヨーロッパ全域に広がるでしょう。ギリシャには5000ユーロ近くの負債があります。銀行に再度資本注入しなくてはならなくなるでしょう。ヨーロッパ全域で預金保険(銀行の取付騒ぎを防ぐため)の措置が必要となるでしょう。ポルトガル、スペイン、イタリアへの支援も増やさなくてはならなくなるでしょう。それらの国は、デフォルト予備軍です。ギリシャがユーロ離脱することは、悪影響が多すぎます。ユーロにとどまった方が影響は小さいでしょう。



 合理的な行動をすれば、ギリシャを孤立させないようにする妥協点はあるはずです。緊縮財政策を少し緩めにするとか、ギリシャの変革への支援や増やし、もう少し時間的猶予を与えるとかすべきです。現実的には他に方法は無いのです。しかし、非常に残念なことですが、その方法は採用されそうもありません。なぜなら、この問題の当事国は、現実的で合理的な方法であるかどうかなんて気にしていないからです。どこの国も公平(fair)か否かということにしか関心が無いのです。ドイツの国民や政治家からすれば、歳入以上の浪費をして返せるはずもないほど借金を積み上げた国々の尻ふきをドイツがすることは、どう考えても公平なこととは思えません。かたやギリシャも同じように公平ではないと感じています。何でギリシャ人だけが外銀や独仏への返済のために緊縮財政を何年も続けて高失業率に喘ぎ続けなければならないのかと感じています。また、E.U.が出来たおかげで独仏だけが膨大な恩恵を被っているんだから、もっと支援するのが当たり前だとも感じています。どちらの不満もそれなりに筋は通っています。しかし、公平か否かという基準で物事を判断しだしたら合意なんて出来っこないんです。堂々巡りするだけです。



 公平か否かという点を重要視しすぎることには、大きな問題点があります。それは、公平さを確保したいがために、人間は経済的には全く不合理な行動でも嬉々としてしてしまうことがあるという点です。多くの行動主義経済学者が次のことを明らかにしています。人々が出し合って集めたお金が誰かに盗まれると、盗んだ者を捕まえて罰するために膨大な支出をすることを人々は厭わない、が、お金をそもそも出さなかった者を罰するために大金が使われることはない、ということです。つまり、怠けていた者(ギリシャ)に当然の報いを受けさせがたいがためだけに、経済的に損な行動でも人間はするということです。同様なことを明らかにした有名な実験があります。”最後通牒ゲーム”として知られています。2人で行う実験で、1人が目の前の現金の分け方を決めます。もう1人は、その分け前を受け入れるか否かを決めます。例えば、目の前に10万円、1人目が自分が9万、他方が1万と分前を決める。2人目はその案を受け入れるか受け入れないかを決める。受け入れると1万円もらえる。受け入れないと0円。なので経済的な視点で判断すると1万円の分前でも受け入れるべきなのだが、公平でないと感じると人は受け入れず1万円を失うことも厭わない。このように、双方にとって良いと思える解決策でも、公平か否かという観点で考えてしまうと、採用されることは無くなってしまいます。



 同様の現象はアメリカの住宅バブルの際にも見られました。取得した住宅の価値が暴落しローン残高だけは減らずに苦しんでローン返済が滞っている住宅取得者に対しての支援が必要だという経済学者が沢山いましたが、そういった策は実施されませんでした。なぜかというと、それは公平でないと考える有権者の声が大きかったからです。たしかに、せっせと返済している者がいるのに、返済出来なくなった者だけ支援するのは公正ではないかもしれません。でも、返済不能な者を救済することは、ローンをせっせと返している人にとってもメリットがあります。なぜなら、差押物件が大量に出回り住宅価格が下落することを防げるからです。しかし、返済不能な者だけは何もせずにお金をもらえるということは、公平ではないと思えるので有権者には受け入れられないことなのです。



 公平か否かという点にこだわってしまうことは厄介なことです。それに加えて、状況をさらに酷くしているものがあります。それは、2人の経済学者リンダ・バブクックとジョージ・レーベンシュタインが”self-serving bias(自己奉仕的バイアス)”と呼んだ人間の傾向です。(人は基本的に自分が現在持っている自己概念や自尊心の状態を維持・高揚しようとする動機を持っているという仮定に基づいて、自己概念や自尊心を維持するために自分の成功や失敗の体験を偏った形で帰属させる傾向のこと。自分の成功体験を、自分が能力があったからとか自分が努力したからという自分の内部に原因があるとする内的帰属にして自尊心を高めたりする自己高揚帰属と、自分の失敗体験を自分以外の他者や状況が原因となって生じたものだとする外的帰属をして責任や避難を回避し自尊心が低下しないようにする自己擁護帰属の2つに分けられる。)。ですから、ギリシャはもっとドイツに恩義を感じるべきなのです。ドイツが今までに支援した額の大きさを知るべきです。ギリシャが税金を収めないでどれだけ迷惑をかけているか知るべきです。また、ドイツのインフレ抑制策によって、ギリシャは経済を立て直し回復させることが容易でなくなっています。そのことにドイツはもっと思いを馳せるべきです。しかし、実際は全く逆の状態です。自己奉仕的バイアスがかかると、何が公平かを判断・定義する際に、自分の利益を高める方向にぶれてしまうし、自分の判断と相容れない情報を過小評価してしまいます。そうしたことは、当事者間に同じコミニティの一員同士だという感情が持てないような状況では、さらに顕著になります。心理学者が言うところの、いわゆる“social distance(社会的距離)”が遠い状態です。また、ギリシャは人々が軽薄で不正が蔓延していて自由気ままとか、ドイツは勤勉で倹約的で締まり屋で帝国主義的であるといったイメージは根拠がないのですが一般的なイメージとして流布しています。そのことも経済的に合理的な妥協をすることを、より一層困難にしています。



 社会全体から見れば、公平さを重視するということは、やはり正しいことですし、沢山の利点があります。そうすれば、搾取は減らせるでしょうし、能力主義社会を推し進めていけますし、労働者もやる気が高くなるでしょう。しかし、ギリシャも、ドイツや他の国も本当のところどうしたいか分かっていない状況ですが、解決策が全く無いことはないという状況なのに、公平さばかりに目を向けてしまうということは自殺的な行為です。ヨーロッパを危機の淵から救うには、域内すべての国の国民、政治家は何が公正なのかということを考えることを止めるべきです。そうではなく、どんな策なら実施可能なのかを考え始めるべきです。

スポンサーサイト
[ 2012/05/31 02:10 ] FINANCIAL PAGE | TB(1) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL
http://toyoshow138.blog93.fc2.com/tb.php/416-3b8d4480

 一昨日掲載した英文の和訳全文を計さします。 題名は以下のとおり。
[2012/05/31 15:50] まとめwoネタ速neo
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
癒されたい時に眺めよう
12星座ランキング?
developed by 遊ぶブログ
カテゴリーメニュー

Plug-in by
@激安・割安・おすすめ商品@

FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。