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A Billion Prices Now 政府発表の経済指標は信頼できる?本日英文、明日和訳掲載

 一昨日掲載の英文に関する和訳を掲載します。遅くなりすいません。


 
題名は以下のとおり。

The Financial Page

A Billion Prices Now

by James Surowiecki

May 30, 2011 


 
 サロウィッキー氏の論旨は以下のとおり。

 かつて無いほど政府は経済に関して数値・指標を素早く大量に手に入れることが出来るようになった。しかし、だからといって必ずしも政府が正しい行動をするということが担保されるわけではない。

 正しい情報が手に入っても、それを信じず、正しい対応策が実施されないことがあるからある。今のアメリカがそう。インフレ率は高くなく、コントロールできている。しかし、政府内や連邦準備理事会にはインフレを極端に恐れる者が多く、引き締めを続けてしまっている。失業者数が異常に多い状態が続いており、本体であれば逆の政策が必要。結局のところ、正しい情報がリアルタイムで得られても、政府がそれに対して正しい対応をするか否かというのは別の話である。

 詳細は和訳全文をお読みください。


では、以下に和訳全文を掲載します。「続きを読む」をクリックして下さい。

The Financial Page

A Billion Prices Now

by James Surowiecki

May 30, 2011 

 政府による公式の統計、さまざまな産業統計、ウォール街が発表する予測など巷には様々な統計・数値が存在しています。データが氾濫しているようです。あまり価値のない統計数値もかなりあります。かといってそれらの統計数値がまったく無ければ、それはそれで困ります。大恐慌の始まった頃、景気は明らかにどん底でしたが、当時の米政府には正確な経済指標は何も無かったのです。当時は、GDPも、失業について統計も存在していなかったのです。そうした状況ですから、政府は危機の厳しさを常に過小評価していました。19306月に、景気回復のきざしが幾つか見られることを根拠として、ハーバート・フーバーは大恐慌は終わったと宣言しました。その年の12月の一般教書演説で、彼は失業者は250万人だと発表しました。しかし、その数値は、フーバーは認識していましたが、8カ月前のものでした。一般教書演説の時点では、実際には失業者は500万人で、1週ごとに10万人ずつ失業者が増えていたのです。米国政府は暗闇の中で政策を決定していたのです



 もっとも、政府はそういった経験から学習しました。1934年、エコノミストたちによって、初めて国民所得という統計概念(現在のGDPはこれが発展したもの)が生み出されました。1930年代後半には、失業率のデータ、より厳密で正確なものになりました。また、第二次世界大戦(この大戦により何事も数値で定量化する傾向が助長された)後の数年間政府にとって、有用な経済統計に関する情報量は飛躍的に増えました。今日我々が眼にしている経済指標は、これまで以上詳細で、洗練されたものです。そのおかげで、企業や政府は、経済の動きに対してより機敏に対応できるようになっています。



 しかし、そうはいっても、現在の経済指標の数々は完璧とは程遠いものであることも事実です。例えば、政府は、インフレ率について調査を続けていますが、価格を調べる方法は1950年代と全く変わっていないのです。調査員が電話で聞き取りし、消費者がどこで買い物をし、企業がいくらで販売しているか、ショッピングモールで商品がいくらで売られているかを調べています。そうした方法ですから、携帯電話しか持っていない消費者は調査から除外されています。また大規模小売店などでの商品価格は十分に考慮されないことになるので、インフレをおそらくは過大に評価しているでしょう。また、もっと大きな問題は、経済指標が出てくるのに時間が掛かりすぎているということです。たとえば、CPI(消費者物価指数)は、1ヶ月以上前の時点の数値です。価格が乱高下している現在では、1ヶ月も前の数値は役に立ちません。



 Billion Prices Project(以下、BPPと略す)という新しい試みが行われています。BPPは、MITのエコノミストであるアルバルト・カバジョとロベルト・リゴボンの発案によるもので、これまでの状況を変える可能性を秘めています。聞き取りによって価格に関するデータを集めるなんてことはしません。常に世界中の商品の価格をネット上で追跡しています(アメリカ国内だけでも一日当り50万個の商品について価格を調べています。政府関連の機関の5倍以上です)。その情報を使用して、カバジョとリゴボンは、今まで出来なかったリアルタイムでインフレ指数を出すことに成功しました。BPPは、1カ月前の状態ではなく、今現在何が起こっているのかを明らかにしています。例えば、2008年の9月、リーマンブラザースが破たんした時には、多くの企業が即座に価格を引き下げたということ(既に需要が減退しているということ)をBPPは直ぐに明らかにしました。一方、対照的ですが、政府がデフレ圧力について言及したのは11月のことでした。今年は、インフレ率は昨年より年率換算では緩やかに上がっています。BPPはそのことについても政府より早く見抜いています。政府のCPI(消費者物価指数)の発表よりずっと早くにです。そのようにいち早く実態を把握することが出来るならば、政府はもっとタイムリーに意思決定が出来てもいいはずです。



 また、BPPの存在によって、各国政府はいんちきをし難くなっています。多くの国々で、経済指標はあたり前のように改竄されています。2010年に実施された発展途上国に関する調査でも、そうした事実が多々ありました。インフレ率を低めにしたり、失業者数を少なめにしたりといったことが為されているのです。BPPが客観的な経済指標を提供していることにより、各国政府が数値を誤魔化すことはより困難になりました。まあ、発展途上の国々と違いアメリカでは政府が数値を意図的に改竄するなんてことは発生しえないでしょう。でも、疑り深い人で政府の発表する指標よりBPPのほうを頼りにする人がいても不思議ではありません。



 残念ながら、BPPは、物価について全てを明らかにしているかというと、そうでもありません。サービスに関する価格については、ほとんど調べていないからです。BPPによる指標が政府発表のCPI(消費者物価指数)に取って代わるなんてことはありえないことですが、BPPが存在することによって、政府が物価を把握する方法が以前より改善されたというのも事実です。労働統計でもそういった例を見ることが出来ます。米労働統計局が(時代遅れの方法で統計を取っていることを認識していますが)、統計の取り方の変更に着手し、リアルタイムでの捕捉を目指し取り組みを始めました。BPPは、データの収集方法が旧来と異なりますが、高価で複雑な仕組みを導入しているわけではありません。それなりのパソコンがあってインターネットに繋がってさえいれば、かつては政府機関しか正確に出来なかった分析も、民間企業でも出来るようになったのです。そうした結果、ケース・シラー住宅価格指数は、一民間企業でしかないS&Pが発表しているものですが、全米中で住宅価格の基準として使われています。そうした状況のおかげで、政府には未だかつてないほどのレベルの質と量の情報があるのです。ですから、政府が何か失策をしでかした際には、状況が把握できていなかったという言い訳をすることは許されないような状況になっています。



 やはり、十分な情報を手にしたとしても、政府がどう行動するかが一番の重要になります。政府は、必ずしも情報を信じるわけではありませんし、それに基づき行動するわけでもありません。2008年の経済危機前の数年間には、分っていないことも沢山あったとは言え、問題が存在していることは明らかでした。住宅価格の上昇は急すぎましたし、銀行は無謀にも不適格な者にさえもローンをどんどん組ませていました。しかし、連邦準備制度理事会と金融当局は、結局のところ、バブルの発生を防ごうとして行動することはありませんでした。結果、経済は一気に崩壊しました。現在は、多くの有用な指標(CPIやBPPなど)があり、そういった指標によると、インフレ率は上手く制御されているようです。しかし、政府と連邦準備制度理事会の理事の幾人かは、急激なインフレが発生するのではないかと憂慮しています。それで、失業率が高止まりしたままであるにも関わらず、せっせと金融引締めをしています。政府が数値・指標を必要なだけ得られるような状況になったのは最近のことですが、重要なのは、そういった情報を政府が使うか否かという点です。



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[ 2011/05/26 23:58 ] FINANCIAL PAGE | トラックバック(-) | コメント(-)
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